「 10周年企画展 」

磐梯山の怒り1888

1988年4月22日(水) から 11月15日(日)まで

開催趣旨

「会津磐梯山は宝の山よ」と親しまれたこの山が、最後に噴火したのは、1888(明治21)年
です。しかし、この宝の山が噴火したことも、それにより477人もの犠牲者がでたことも、地
元に住む人々ですら忘れかけています。磐梯山の噴火は、明治時代以降、日本におけ
る最大規模の火山災害で、世界にもいち早く伝えられた事件です。阪神大震災では多く
の災害ボランティアが活躍しましたが、磐梯山の噴火の時に訪れた医学生は、その先駆けと言えるでしょう。また、幻灯機を使った義捐金の募集が行われ、日本全国から多くの義
捐金が集まった最初でもあります。このように磐梯山の噴火は、当時の日本社会に多くの
影響を与えた大きな事件なのです。今回の企画展では、磐梯山の過去・現在・未来と合
わせて、火山大国日本における火山災害とその対策についての考察も若干ながら紹介できればと願っております。火山列島に住む私たちは、火山の実態をよく知り、磐梯山が活
火山であることを再認識することにより、その防災意識の高揚の一助となれば幸いです。

展示テーマ

1.噴火をする前の磐梯山

・磐梯山の噴火歴や地形発達の歴史
・磐梯山の名前の由来・雪形や民話
・噴火以前の磐梯山を描いた作品
・小磐梯の復元

2.山が抜けたーー磐梯山の怒りーー

・噴火当日の天気図
・磐梯山の噴火をいち早く撮影した人
・野口英世を世界的な医学者に育てた小林栄
・平時における世界で初めての救護活動
・災害ボランティアの先駆け
・ほんとうの日本を描いたジョルジュ・ビゴー
・忘れられた日本初の地震学者 関谷清景
・義捐金活動を展開した宗教家 田中智学
・皇室に磐梯山の絵を献上した山本芳翆
・海外で報道された磐梯山の噴火
・日本初の災害地形図

3.復興にかける夢

・裏磐梯の復興に立ち上がった人々
・磐梯山噴火後の裏磐梯の変容
・国立公園への道のり
・国立公園切手について

4.火山列島日本

・火山について
・火山災害の要因
・雲仙普賢岳の火山災害
・安達太良山の火山ガス災害
・火山噴火予知と火山観測
・火山の構造探査
・磐梯山に関する新しい学説
・ハザード・マップ(災害予測図)
・磐梯山の火山学的ハザード・マップ
・日本のハザード・マップ
・外国のハザード・マップ
・防災教育について
・稲むらの火
・我が家の防災心得